基礎知識 2022.04.28

【5分解説】 RE100とは?中小企業は加盟できる? 意味やメリット、加盟条件など分かりやすく解説!

近年、気候変動に対する関心が高まり、再生可能エネルギーの利用が急速に進んでいます。この動きを加速させるために、企業が自身の電力需要を100%再生可能エネルギーで賄うという、RE100(Renewable Electricity 100%)という取り組みが世界中で広がりを見せています。
しかし、多くの人が”RE100”という言葉を聞いたことはあっても、その詳細についてはあまり知られていません。RE100は単に企業が100%再生可能エネルギーを使用するというだけではなく、その目標を達成するための一連の取り組みを包括した概念でもあります。

このコラムでは、この記事では、RE100が具体的に何を意味するのか、どのような取り組みが行われているのか、そしてなぜこれが企業にとって重要なのかを解説します。
さらに、RE100の取り組みに参加することで企業が得られるメリットや、これに参加するための具体的なステップについても詳しく説明します。

RE100とは?

RE100は、2014年に国際環境NGOが立ち上げた、企業の国際的な連合体です。
「RE」とは、”Renewable Energy”(再生可能エネルギー)を意味し、企業が事業で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す取り組みです。この取り組みには、日本を含む世界中の企業が参加しており、地球環境保護への取り組みとして広く認知されています。

RE100が出来た理由、背景

2014年に国連が主催した気候サミットは、世界共通目標として「産業革命後の気温上昇を2℃以内にし、そのためには気温上昇を1.5℃に抑える努力をする」というパリ協定の目標を達成するための行動や解決策を立てるイベントでした。
このイベントと同時開催されたのが、Climate Week NYC 2014で、ここから脱炭素社会を目指すための重要な国際的フォーラムが毎年開催されるようになりました。政府、企業、市民社会が一丸となり、脱炭素の推進を目指しています。
そしてこのフォーラムの一環として、「RE100」が立ち上げられました。これは企業が事業で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す連合体で、パリ協定の目標を達成するための具体的な行動と解決策として注目されています。

RE100に加盟している日本企業

RE100への加盟を希望する企業は、以下の条件のいずれかを満たす必要があります。

  • ①国際的に認知されたブランドであり、影響力があること
  • ②2050年までにカーボンゼロを達成することを目標に掲げていること
  • ③年間で100GWh以上(日本企業の場合は50Gwh以上)の電力を消費していること
  • ④RE100の目的を実現するために積極的な取り組みを行っていること

日本の企業では、67社がRE100に加盟しています。(2022年4月現在)
加盟企業には、ソニー、イオン、パナソニックなどが含まれます。

ソニーグループ株式会社の取り組み事例

ソニーグループ株式会社は、「Road to Zero」(環境負荷ゼロ)という目標を掲げ、2050年までに実現を目指しています。
グループ内の電力使用においては、100%再生可能エネルギーの活用を目指してさまざまな取り組みを行っています。
以下に、ソニーグループ株式会社の具体的な取り組み事例をご紹介します(ソニーグループ株式会社HPから一部抜粋)。

①太陽光発電設備導入
ソニーグループは世界のさまざまな事業所において積極的に太陽光発電設備を導入しており、日本でも自家発電により再生可能エネルギー比率を高めています。特に2019年には、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング熊本テクノロジーセンターで大規模な発電設備の稼働を開始しました。

②電力会社からの再エネ電力を直接購入する
ソニーグループは、2017年度に東京電力エナジーパートナー株式会社から提供された国内初の水力発電電力のみを販売するプランを活用し、電力会社から直接再エネ電力を購入しています。これにより、再生可能エネルギーの活用を進める一翼を担っています。

③グリーン電力証明書の活用
ソニーグループは、電力会社と共同開発したグリーン電力証明書の活用に取り組んでいます。この証明書は、企業や自治体が再生可能エネルギーによる発電をコスト負担して委託する仕組みであり、ソニーはそれに積極的に参加し、再生可能エネルギーの普及を支援しています。

④自己託送制度の実現
自己託送制度とは、太陽光発電設備等で発電した電力を送電網でつなぎ、離れた自社拠点に電力を供給する仕組みです。この仕組みにより、余剰電力を無駄なく活用することができます。

弊社は④の自己託送制度を、ソニー株式会社(現:ソニーグループ株式会社)、デジタルグリッド株式会社と実現いたしました。

▼関連記事

【5分解説】自己託送とは何か?仕組みやメリット・デメリットについて解説!

牛舎を利用した太陽光発電のオフサイト自己託送

EP100やEV100との違い

EP100は、エネルギー効率の向上を目指す国際的なイニチアシブで、”Energy Productivitu100%”の略称です。この取り組みに参加する企業は、省エネ効率を50%改善するなど、高効率な技術や取り組みを導入し、事業のエネルギー効率を大幅に向上させることを目指しています。
一方、EV100は、企業が2030年までに使用する車両を100%電気自動車にすることや、環境整備の促進を目指す国際的なイニシアチブです。この取り組みにより、企業は持続可能な輸送手段を推進し、炭素排出量の削減に貢献することを目指しています。

これらの取り組みは、RE100の目標達成に向けて重要な役割を果たしています。

RE100に取り組むメリット

ここからはRE100に取り組むメリットを4つご紹介します。

①投資家からの評価があがる

RE100に取り組む最大のメリットは、「ESG投資」などにおいて投資家からの高い評価を受けることです。ESGとは 「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(統治)」 の頭文字をとったもので、これらの指標が企業を評価する基準となります。
企業の業績が良くても、環境への配慮や社会貢献が欠けている場合、ESG投資では評価されません。
しかし、RE100に加盟することで、二酸化炭素の排出削減に取り組んでいることを示せます。そのため、ESG投資においても高い評価を得ることができるのです。

②電気代の高騰の影響を受けない

将来的な化学燃料のエネルギー係数上昇のリスクを回避できることもRE100のメリットです。石炭などの限りある資源は年々減少しており、その減少が続くと将来的には価格の高騰が避けられません。
燃料価格の高騰は、電力会社から購入する電気代にも自動的に影響を及ぼすと予想されます。
しかし、再生可能エネルギーのみで事業を運営できれば、電力会社からの電力購入が不要となります。そのため、電気代の高騰の影響を受けずに事業を継続することができるのです。

③地球環境への貢献

再生可能エネルギーで全ての事業の運営が可能になれば、地球温暖化や気候変動の原因となるCO2が排出を劇的に減らすことができます。これにより、環境への貢献が実現します。また、再生可能エネルギー源である太陽光などは地球上に常に存在しており、枯渇の心配はありません。さらに、これらのエネルギー源から発生する電力は、有害物質である温室効果ガスを含みません。そのため、環境に対する影響も少なくなります。

④企業のブランドイメージがアップ

RE100に加盟することで、企業は温暖化対策への積極的な取り組みをPRすることができます。
環境対策や環境への配慮を尊重する企業から、好意的な印象を得られるでしょう。
また、一般消費者のサステナビリティに対する関心が高まっていることで、企業は消費者から大きな支持を得られることも期待されます。

RE100に加盟するための条件

RE100の加盟条件は明確に定められているわけではありませんが、以下の条件が重要視されていると言われています。

加盟条件4つ

  • ①世界的に認知度や信頼度の高い企業であること
  • ②年間の電力消費量が100GWh(日本では50GWh)以上であること
  • ③RE100の目的に貢献できる特徴や影響力を持っている企業であること
  • ④フォーチューン1000またはそれに相当する主要な多国籍企業であること

上記4点が満たされていることが好ましいとされています。
RE100加盟を希望する場合は、RE100事務局と直接連絡を取り、認定されて晴れてRE100に加盟となります。

加盟できない企業は「再エネ100宣言 RE Action」

RE100は主に大手企業を対象としているため、中小企業の多くは条件を満たすことが難しい場合があります。
しかし、それに代わる取り組みとして、「再エネ100宣言 RE Action」があります。「再エネ100宣言 RE Action」は、企業や自治体などのさまざまな組織が、100%再生可能エネルギーへ移行することを表明し、実行する枠組みです。これにより、条件を満たせない中小企業も再生可能エネルギーへの取り組みを積極的に進めることができます。再エネ100宣言 RE Actionは、持続可能なエネルギーへの移行を促進し、地球温暖化対策に貢献することを目的としています。

再エネ100宣言 RE Actionの参加条件とは?

参加条件は、以下の3点になります。

  • ①2050年までに使用電力を再エネ100%にする目標を設定し、公表すること
  • ②再エネ推進に関する政策エンゲージメントを実施すること
  • ③消費電力や再エネ達成率などを毎年報告すること

これらの条件を満たすことで、再エネ100宣言 RE Actionを掲げることができます。
これにより、再エネ化を対外的にアピールでき、社会から環境への取り組みが評価され、イメージアップなどが見込めます。
さらに、再エネ100宣言 RE Action の参加得点として、RE100加盟企業と交流する機会が得られるため、大企業と取引できるチャンスが生まれます。

まとめ

RE100は世界中で注目されている取り組みであり、SDGsの目標達成には不可欠です。大企業だけでなく、中小企業もこれを達成すべき重要な目標として受け止めています。しかし、RE100への加入は一部にとっては高いハードルとなり得ます。そこで、「RE100宣言 RE Action」などの措置を検討することは、効果的な環境対策と言えるでしょう。
世界中からの動向を見ても明らかなように、環境対策への注目度は日々高まっています。その一環として、再エネ100%を目指すためには、太陽光発電設備の導入を検討することが有効な手段でしょう。

弊社(株式会社FD)では「電気代を削減」「再エネ100%の実現」「再エネへの転換による環境貢献」など、皆さまの多様なご要望にお応えします。ご不明点やご要望などございましたら、お気軽にご相談ください。


【太陽光発電の導入について、こんなお悩みはありませんか?】


・エネルギー問題への取り組みを始めたいが、具体的な方向性が見えない
・省エネに取り組んでいるが、具体的な効果が感じられない
・太陽光発電設備の導入を考えているが、必要な投資や効果について詳しく知りたい
・設備導入に際してのポイントや、信頼できる提供企業を知りたい
・太陽光発電に関するさまざまな疑問や課題を解決したい
・補助金制度の利用方法について知りたい

このようなお困りごとがありましたら、ぜひとも私たち株式会社FDへご相談ください。
私たちは太陽光発電設備の提案・導入・稼働・管理までを総合的にサポートするプロフェッショナルです。
まずは、以下のリンクから資料をダウンロードしてご覧ください。

太陽光発電導入のご提案 電気は作って”運ぶ”時代へ