基礎知識 2022.08.31

電気代削減したい企業ができること6選。これらをやるべし!成功事例紹介も紹介!

昨今、電気料金の上昇が進行しており、これは主に石炭や液化天然ガスなどの輸入価格高騰のが原因となっています。その結果、燃料費調整額が上昇し、私たち消費者にとって電気料金負担が増大しています。

「電気料金の上昇にどう対策を打てばいいのか?」「企業として何ができるのか?」

このコラムでは、そんなお悩みの方へ電気代を削減するための具体的な対策をご紹介します。

電気代を削減するためにやるべき5つのこと

①LED電球に変更して省エネ化

電気代を削減する手段として、真っ先に思い浮かぶのがエネルギー効率の改善、すなわち省エネですね。その一例として、照明器具をLED電球へと切り替える方法が挙げられます。
LEDは蛍光灯に比べて発光効率が高いため、省エネ対策として非常に有効で、現在は照明器具のLED化が急速に進んでいます。

1つあたりの消費電力10個あたりの消費電力
電球型蛍光灯11W110W
LED電球7.3W73W
電球型蛍光灯とLED電球の消費電力の違い

図表からわかる通り、電球型蛍光灯からLEDに切り替えることで、消費電力を約34%も削減することが可能です。
さらに、LEDの特徴として寿命の長さもあげられます。一般的な蛍光灯の寿命は、約6,000時間〜12,000時間程度ですが、LEDの寿命は約40,000時間(約10年)と言われています。初期費用ではLEDは蛍光灯に比べて高価ですが、その長寿命により交換回数が減ることを考えると、長期的に見ればLEDが経済的にも効率的であると言えます。

②デマンドコントローラーの導入で電気の基本料金を抑える(=デマンド値を下げる)

電気代を削減するもう一つの手段として、デマンドコントローラーの導入が挙げられます。デマンドコントローラーは、消費する電力量を監視し、調節する機能を持つ機器のことです。
デマンドコントローラーを用いて電気代を抑えるためには、デマンド値という概念を理解することが重要です。デマンド値とは、「30分間に消費された電力の平均値」を指します。
例えば、最初の10分間で100kW消費、次の10分間で300kW消費、最後の10分間で500kWを消費した場合、この30分間のデマンド値は300kWとなります。

ご存知の方も多いかと思いますが、電気の基本料金は最大デマンド値によって決まります。最大デマンド値とは、1ヵ月間で記録された最も高いデマンド値を指します。そして、過去12ヵ月で最も高い月の最大デマンド値が、電力契約に使われます。

電気代は以下の計算式から求めることができます。

「電力単価」×「最大デマンド値」×「力率割引」+「電力量料金」

したがって、デマンドコントローラーを導入して設定したデマンド値を超えないようにしたり、空調設備などの電源を自動的に切るなどしてデマンド値を抑制することで、電気の基本料金下げることが可能になります。

③力率を改善させる

力率の改善も電気代削減の有効な手段の一つです。力率とは、電力会社から供給される電力に対し、実際にどれだけ電力が使用されたかを示す指標を指します。先ほども触れましたが、力率は電気代を算出にも使用されます。

力率が100%であるということは、提供された100%の電力が全て使用されている状態を指します。一方、力率が90%であるとは、提供された100%の電力のうち、実際には90%しか使用されていない状態を指します。力率が高い契約については、力率割引を適用している電力会社もあるため、力率の改善は電気代削減策として有効的です。

力率を改善する一つの方法としては、コンデンサの接続があります。これにより、無効電力を減らすことができます。しかし、「どこに」「どのように」コンデンサを設置すれば効率が良いのかは、専門的な知識が必要となるため、電気主任技術者らと一緒に設置を進めていくのが望ましいでしょう。

④電力会社の見直し

節電の限界に直面した場合や、効果的な節電が困難な場合は、電力会社との契約の見直すも考慮に入れてみてください。新たな電力会社が増加し、従来の会社よりも低コストなプランや基本料金が不要なプラン、省エネ推奨プランなど、様々な選択肢が出てきています。

さらに、大手電力会社の燃料費調整額も近年上昇しています。電気料金には「燃料費調整額」が組み込まれており、これが高騰すると電気料金も増加します。

最近では、燃料費調整額がその上限に達しつつあるため、上限設定の撤廃を求める動きも見受けられます。

燃料費調整額の上限設定は電気料金の高騰を抑えるためのもので、設定を超えた分については電力会社の負担します。しかし、燃料費調整額が上限額を超える状況が続くと、電力会社の負担が増えてしまします。このため、大手電力会社10社のうち5社は既に上限金額を超える見通しとなっています。

日本は海外からの燃料の調達に大きく依存しているため、燃料費調整単価もチェックしておくことが重要です。石油やガスの価格は国際市場に大きく影響を受けますので、価格変動によっては電力料金が増加する可能性があります。

※燃料費調整額:電力会社が電気を生成する際に使用する燃料(石炭、天然ガスなど)の価格変動を、消費者の電気料金に反映するための仕組み。燃料価格が上昇した場合、それを補うために電気料金が増える可能性があります。逆に、燃料価格が下降したときには、電気料金が減少する可能性があります。このように、電気料金は一定ではなく、燃料の市場価格の動きによって変動する仕組みが燃料費調整額です。

⑤太陽光を導入し自家発電率をあげる

省エネによる節電は確かに効果的ですが、電気代が将来的に高騰するのであれば、「電気を買わない」という選択が最も理想的です。これを可能にするのが自家消費型太陽光発電という手段です。
自家消費型太陽光発電とは、自社の屋根などに太陽光発電設備を設置し、その発電した電力を自社で使用することを意味します。自社で電気を生成することで、発電した電力分は購入する必要がなくなります。

関連記事:【5分解説】法人向け自家消費型太陽光発電とは?導入のメリット・デメリットについて解説!

⑥蓄電池の導入

蓄電池は非常用電源としての利用が一般的ですが、電気料金の削減にも役立てることができます。
蓄電池を導入すれば、電気料金が安い夜間に電気を蓄積し、電気料金の高い昼間にはその蓄電した電力を使用する、いわゆるピークシフトという手法が活用できます。

太陽光発電設備を導入するその他のメリット

太陽光発電設備を導入すると省エネ以外の点でも企業にとってメリットが見込めます。

①BCP対策として活用できる

太陽光発電設備と蓄電池を導入することで、電力供給が停止した状況でも、自社で生成した電力を活用して一部の業務を継続することが可能となります。これにより、取引先との連絡や市場への供給の被害を最小限に抑制することができます。

②環境への配慮

温室効果ガスの削減への取り組みが世界中で強く求められています。この観点から注目されるのが、温室効果ガスを排出しない太陽光発電です。燃料を燃焼しない太陽光発電は、温室効果ガスの削減に大きく貢献します。
近年では、SDGsやRE100といった環境に配慮した取り組みが行われています。これらの取り組みを進めることで、企業の環境への配慮が顕著に示され、評価を得られます。

関連記事:【5分解説】RE100とは?中小企業は加盟できる?意味やメリット、加盟条件など分かりやすく解説!

③税制優遇が受けられる

太陽光発電設備の導入により、多くの企業が利用できる税制優遇をがあります。
中小企業経営強化税制」はその一つで、この制度を利用すると「税額控除」あるいは「即時償却」の支援を受けることができます。どちらか一方を選択して適用できるため、企業の経済的な負担を軽減できます。ただし、この制度は対象設備により適用されない場合もあり、注意が必要です。

【対象設備】
・自家消費型太陽光発電
・余剰売電型(自家消費率50%以上)

【非対象設備】
・投資用太陽光発電
・余剰売電型(自家消費率50%未満)

余剰売電型(自家消費率50%未満)でも、「中小企業投資促進税制」を利用することが可能です。こちらは、「中小企業経営強化税制」に比べると受けられる優遇措置は少ないですが、余剰売電型の自家消費率に関わりなく税制優遇を受けられるため、この選択肢も考慮する価値があります。

④(導入方法によって)売電収益が見込める

太陽光発電設備を適切な方法で導入すると、売電収入を得ることが可能です。
例えば、設置した太陽光発電設備から発電された電力が100%で、そのうち自社で使用する電力が70%だとした場合、使用しなかった30%の電力は電力会社へ売却できます。
つまり、節電するほど余剰電力が増え、それによって収入を得ることが可能となります。このような仕組みを余剰売電と言います。

太陽光発電の導入によって電気料金削減に成功した事例3選

ここまで電気代削減方法や、太陽光発電設備の導入メリットをご紹介しましたが、実際に太陽光発電設備を導入し、電気料金削減に成功した事例をご紹介いたします。

◎他社事例:秋田県南秋田郡大潟村

2023年度に、地球温暖化対策および地域住民への再生可能エネルギー啓蒙のために、公共施設9箇所(村民センター分館5、コミュニティ会館3、多目的会館1)に太陽光パネルが設置されました。この太陽光パネルの設置により、温室効果ガスの排出量、原油の消費量、そして電気料金を削減することができました。特に、環境問題に対する効果は大きいと評価しています。

事業概要公共施設複数施設において、地球温暖化対策の一つとして太陽光発電を導入する。地域住民への啓発も図る。
定格出力63.54kW
二酸化炭素削減量(t-CO2)の推移1年目:21.15t-CO₂
2年目:18.35t-CO₂
年間で削除できた費用(売電収入+電気代削減)約2,600千円

◎FD事例:岐阜県多治見市(自家消費+余剰売電)

夏季の暑さ対策として遮熱効果を発揮させると同時に、再生可能エネルギーの利用率を向上させるというグループ全体の目標のため、店舗の屋根上に太陽光パネルを設置しました。
はじめに自己消費のための連系を実施し、その並行して余剰電力の申請を行うことで、売電収益を見込むことが可能になりました。


定格出力315.00kW
年間発電量約640,000kwh
年間で削除できた費用(売電収入+電気代削減)約550万円の削減

◎FD事例:三重県多気郡(PPA+補助金事業)

電気料金の上昇に対する現実的で効率的なコスト削減が期待でき、再生可能エネルギーの利用率を向上させるというグループ全体の目標のため、工場の屋根上に太陽光パネルを設置しました。
さらに、初期投資なしのPPAによる設置や、補助金事業の活用により、設置費用も最小限に抑えることができました。


定格出力2,200.00kW
太陽光発電の割合年間電気使用量の約 7%を太陽光で消費
年間で削除できた費用(売電収入+電気代削減)約2,640万円の削減
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まとめ

この記事では、企業が実践できる電気料金削減の方法をご紹介しました。
「電気料金削減」は一見単純に思えますが、様々なアプローチが存在します。そのため、自社に適した電気料金削減策を見つけるために、複数の方法を比較し、検討することをおすすめします。
太陽光発電を導入して電気料金を削減することを検討している場合は、ぜひ私たち株式会社FDにご相談ください。


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