産業用太陽光発電所の設置を検討する際、多くの企業は「実際にはどれくらいの費用対効果が期待できるのか?」や「設置費用の平均はどれくらいなのか?」「維持管理にはどれくらいのコストがかかるのか?」という疑問を持つのではないでしょうか?
特に大きな企業ほど、長期運営における投資効果は極めて重要です。
本記事では、設置費用・維持管理コストと投資効果を解説します。
産業用太陽光発電の設置費用
産業用太陽光発電設備の設置コストは、システム構成や設置条件によって大きく変わります。
コストに影響する主な要因は、以下の4点が考えられます。
①発電設備のシステム容量
②システムを構成する機器の選定
③工法(設置場所や環境)
④設置のタイミング
これらの要因について、以下で詳しく解説します。
① 発電設備のシステム容量(kW)
産業用太陽光発電の設置費用を決定する最も大きな要因は、そのシステム容量です。
システム容量が大きければ、必要なパネルの数や関連機器も多くなり、初期費用は上がります。
しかし、大きな容量の設備は多くの電気を生み出すため、長期的に見ると投資の価値は高まります。
電力使用量などの条件にもよりますが、大容量の設備ほど費用対効果は高い傾向があります。
予算やお客様自身の電力使用量を考慮して、最適な容量を選ぶことが大切です。
産業用太陽光発電のシステム費用の推移
上記のグラフは、2024年の事業用太陽光発電システムの設置コストの変動を示しています。
システム容量(kW)に関わらず、設置コストは全般的に低下しています。
特筆すべきは、2024年に設置された10kW以上のシステムの単純平均単価(右側グラフ)は22.6万円/kWとなり、これは前年と比較して1.2万円/kW(5.0%)減少しています。
また、2012年の固定価格買取制度の導入以降、太陽光発電システムの機器コストは年々低減しているため、現在では以前よりも格段に手頃な価格での設置が可能となっています。
今後も同様の低減の傾向が続くと見られますが、国際情勢による物価上昇や国内人件費上昇などによる影響で一時的にコストの下げ止まりが起こる可能性があります。
②システムを構成する機器の選定

使用する産業用太陽光発電機器のメーカーや機種は、価格変動の一因です。
特に、海外製と国内製の機器とでは、価格に顕著な違いがみられることが多いです。
国内メーカーの機器は価格が高めですが、その背景にはいくつかの理由があります。
国内メーカーは、日本の特有の気候や環境に合わせた製品を提供しています。
これは日本での実証実験に基づく研究開発や、日本の気候に合わせた製品設計を含みます。
さらに、国内メーカーは、製品に関するアフターサポートやトラブル時の対応も充実しています。
一方、海外メーカーの機器は、価格が安いというメリットがあります。
その安さの背景には、大規模な生産体制や、海外市場における先行した価格競争が影響しています。
大量生産によるコスト削減や、日本より早い段階からの事業者間の価格競争により、製造コストやマージンが低下したことが挙げられます。
結論として、長期的な実績や充実したアフターサポートを優先するのであれば国内メーカーの選択が推奨されます。
一方、初期投資を重視し、コストを最小限に抑えたい場合は、海外メーカーの製品を検討することもおすすめです。
③工法(設置場所や環境)

産業用太陽光発電を設置予定の屋根の特性や材料は、費用に影響を与える要素として考えられます。
具体的な理由は、以下の2点です。
まず、1点目は使用されている屋根材により、取り付ける際の工法が異なる点が挙げられます。
例えば、ハゼ折半屋根は、瓦屋根と比較して、より安価に太陽光発電の設置ができます。
発電量は屋根材で変わらないため、ハゼ折半屋根の方が費用対効果は高くなる可能性があります。
次に、2点目は、設置する環境やその状態も考慮する必要があります。
例えば、工場の屋根で、ダクト周辺が汚れている場合を想定してみましょう。
もし、この汚れたダクト付近に太陽光パネルを設置すると、ダクトから飛び散る汚れがパネルに付着する恐れがあります。
パネルの表面が汚れると、発電効率の低下を招く可能性があります。
したがって、このような汚れが発生しやすいエリアは、太陽光発電の設置箇所から避けるのが賢明です。
④産業用太陽光発電の設置タイミング

産業用太陽光発電の設置タイミングは可能であれば建物新築時が最適です。
新築時に設置を想定すれば屋根の強度を考慮できるため、後付けより制約が少なくなります。
電気の使用量が多い場合、屋根全体にパネルを設置することで発電効率を最大化し、費用対効果も高まります。
産業用太陽光発電の費用対効果
費用対効果は、投資した金額に対して得られる成果を示す指標です。
以下で、この費用対効果の計算方法について解説します。
太陽光発電における費用対効果の考え方、計算式
産業用太陽光発電設備の設置コストは、さまざまな条件で大きく変動します。
投資額に対して得られる効果が重要です。ここでの「投資額」には、初期費用だけでなく維持管理費も含まれます。
太陽光発電の経済的な費用対効果は以下のように計算できます。
費用対効果=(売電収入額+電気代削減金額)÷(設備設置費+維持管理費)
一般に投資回収は約10年とされますが、設備は10年以上稼働するため、回収が長引いても損とは限りません。
収益についてシミュレーションで簡単に確認できますが、最も見えにくい維持管理費について以下に解説していきます。
産業用太陽光発電設備の寿命と維持管理費
産業用太陽光発電設備の法定耐用年数は17年とされていますが、これは発電所の実際の寿命を示すものではありません。
設備の購入費用を17年間で償却するための基準として法律で定められた期間です。
多くのパワーコンディショナー※は、保証期間が10~15年程度となっているのが一般的です。
一方、太陽光発電設備全体に期待される寿命はおおよそ30年と言われています。
この長期にわたる運用を維持するためには、定期的な点検やメンテナンスが欠かせません。
※パワーコンディショナーとは(パワコン)
太陽光発電システムで発電された直流の電気を交流に変換し、家庭やビルの電気機器などで利用できるようにするための装置を指します。
産業用太陽光発電の定期的なメンテナンスや点検費用

産業用太陽光発電設備の定期的なメンテナンスは、法律で義務付けられています。
ただし、必要なメンテナンス項目は設備や発電所の環境により異なるため、一律に定められているわけではありません。
特定の異常を判断するのは、専門家でないと難しいことも多く、明確な基準もないため、専門業者に意見を求めることをおすすめします。
定期的な点検を怠ると、設備の異常に気づくのが遅くなり、結果的に発電量が低下するリスクが高まります。
このような発電量のロスを防ぐため、また長期的な費用対効果を最大化するためにも、定期的な点検とメンテナンスは必須です。
具体的な点検費用の目安としては、50kW未満の発電設備であれば、年間10~15万円程度。
一方、50kW以上2000kW未満の場合は、年間100〜200万円程度のコストが一般的とされています。
ただし、これはあくまで一般的な価格帯で、設備の内容や点検回数によって費用は変動することに留意してください。
パワーコンディショナーの交換費用
パワーコンディショナーの保証期間はおおよそ10~15年程度です。
この期間を超えるとメーカーの保証が適用されなくなるため、故障した場合の修理や交換には費用がかかります。
修理や交換の費用は、メーカーや種類により異なりますが、一般的には工事費を含めて1台あたり10〜40万円程度が目安となります。
また、故障の程度によっても実際の費用は変動します。
上記の金額は予算を組む際の参考値として考えるとよいでしょう。
産業用太陽光発電の保険と保証

太陽光発電設備のメーカー保証は、無料保証と有料保証の2種類に分けられます。
無料保証は、主にパネルやパワーコンディショナーの出力や製品に関する保証をカバーしています。
しかし、災害や事故による損害は無料保証の対象外となることが多いので注意が必要です。
一方、有料保証はより広範にカバーしており、災害や事故による損害も含まれるため、多くの所有者がこの保証を選択しています。
安心して太陽光発電設備を運用するためにも、メーカー保証の詳細や範囲をしっかりと確認することはもちろん、さらに必要に応じて保険加入の方法なども下調べをしておくことが重要です。
まとめ
この記事では、産業用太陽光発電の費用対効果や設置費用、維持管理費について解説しました。
太陽光発電設備を長期にわたり正常に運用するためには、定期的な保守点検、メンテナンスは欠かせません。
検査内容は専門知識が必要なものが多いため、電気や太陽光発電に詳しい業者の選定が大切です。
弊社FDは、発電量に関する正確なシミュレーションを提示することができ、電気工事業としての専門知識で的確なメンテナンスを行ってきた経験から、適切な費用対効果を算出します。
太陽光発電所設備は長い期間にわたる維持管理が必要です。収益面だけではなく、維持に必要なコストについても慎重に検討されることをお勧めします。
この記事では主に経済的な側面から太陽光発電を解説しましたが、他にも「災害時の電力確保」や「環境への貢献」といったメリットもあります。
以下のコラムでも詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
◎太陽光発電を導入するメリットやデメリットに関するコラム
◎太陽光発電の制度や仕組みに関するコラム
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